セルフ・キャリアドックとは?
厚生労働省が始めた制度で、従業員のキャリア形成を促進・支援することを目的とした総合的な取り組みのことです。
IT化の進展や急速に変化する社会の中で、企業がビジネスモデルや事業内容の変化を求められています
そのため、従業員はここにその変化を先取りする形で対応し、自ら主体的にキャリアを考え構築していく必要があります 。
従業員の活力を引き出し、企業の成長へとつなげる制度がセリフ・キャリアドックです。
セルフ・キャリアドックで得られること
従業員一人一人がキャリアの目標を明確にし、仕事に対する黙示的意識を高め計画的な能力開発に取り組むことで、継続的な成長を促し、働くことの満足度の向上につながります。
企業としても人材の定着や従業員の意識向上が組織の活性化につながり、生産性の向上につながります。
属性ごとに次の効果も期待できます
1、新卒採用者の定着率向上
2、育児・介護休業者の職場復帰率向上
3、高年齢層社員の活性化
セルフ・キャリアドックの流れ
STEP 1
キャリア研修の実施
入社から一定の年数を経過した従業員や一定の年齢層にあてはまる従業員全員や役割変化(ポストオフ)の従業員に集合形式の研修を実施します。
内容は、これまでのキャリアの棚卸し、キャリア開発の考え方の学習、キャリアビジョンや目標の構築、自己理解(強み・弱みの自覚)現在及び近い将来に担う仕事理解、アクションプランの作成などです。
STEP 2
キャリアコンサルティングの実施
従業員とキャリアコンサルタントが1対1で行う面談のことです。上司などが行う評価面談などとは異なり従業員の心理的な自己洞察を促し、キャリア形成のための方策を検討することを目的としています。働き方で大切にしていることなどを棚卸しし、企業から求められる役割や責任、仕事に対する期待や不安などを確認します。現在の仕事に問題を抱えている場合には、その問題を整理し解決を支援していきます。
STEP 3
フォローアップ
企業に対して、キャリアコンサルティング対象従業員全体のキャリア意識の傾向や組織的な課題及びその課題に対する解決策の提案などを行います。(個別面談の内容は守秘義務により原則報告はしません)
よくある質問
- 従業員個人のキャリア形成を企業が準備する必要があるのですか?
目まぐるしく変化する社会の中で、企業として人材育成を真剣に考える上で重要なことです。
また「職業能力開発促進法」では事業主が講ずる措置としてキャリアコンサルティングの機会を確保し、
その他の援助を行うことが規定されています。
- キャリア面談をすると社員の転職や離職につながるのではないですか?
基本的に現在の企業や職場の中で従業員のキャリアをどのように形成していくかを支援するものであり、転職や離職をアドバイスしたり促したりする事を意図していません。
- 面談した内容は全て報告してもらえるのですか?
守秘義務がありますので、面談の個別内容の全てを上司の方に報告することはできません。ただし、対象者が同意した範囲で面談の結果、本人の希望、本人の課題、本人が考えた解決策を上司に報告することがあります。